「ユウナ!今日、放課後オレに付き合ってくんないかな?」

「え?」

3時間目の体育の時間。
体育館アリーナに向かう悠奈に、草薙日向が話しかけた。

「予定・・ありそう?」
「え!?イヤ・・・う、ううん!ないっないっ!ないよ」

やや不安げに問いたずねる日向に、悠奈はフルフルと首を横に振って答えた。

「そっか、なら後でまたなっ!」

ニッコリ笑ってタッタッタと駆けていく日向の背をボー・・と見つめながら、悠奈は立ち尽くしていた。
途端にカァ〜っと顔一面に赤が上がってくるのがわかった。

「良かったねー!ユウナちゃんっ!きっとデートのおさそいだよっ!」

と、側にいたレイアに言われた瞬間、ユウナの心には満開の花畑が咲き乱れた。

(ま、マジですかぁーっ!?w♪)
「ば、バカじゃんアンタ?あんなのデートの誘いのうちにも入んないっての!」

「アハハ、でたでた♪ユウナちゃんの意地っ張りキャラ!素直じゃないなぁ〜」

レイアのきゃらきゃら笑う反応に脹れて文句をいいながらも。悠奈の顔は無意識に綻んで紅くなってしまうのだった。
そんな悠奈の後頭部で、バコっという音がした。

「痛っ!?」

突然頭部を襲った衝撃に頭を抑えて顔をしかめる悠奈。「ちょっと、何すんのよっ!」と言いながら振り返った悠奈は、背後に仁王立ちして悠奈を睨み付けている赤髪の少女を見つけて今度は顔をひきつらせた。

「な・・・ナナミ・・」

「ウチの知らんトコでヒナとナレナレしくすんなゆーてるやろっ!」

「はっ、はぁっ!?べっ、別になれなれしくなんかしてないしっ!ってか、聞いてたの今のハナシ?」

「何がデート♪・・や!このメギツネがっ!ヒナもヒナやであんのウワキものぉ〜っ」

「うっわ、サイッテー。盗み聞きなんてチョー趣味悪いんですケド」

「っきぃ〜〜〜っムカつくっ!もぉ、アッタマきたっ!今日はウチも放課後ついてったるからなぁ〜」

地団駄を踏んで悔しそうにそんな台詞を言う七海。

「まぁ、お互いタイヘンねレイア」
「ウンウン。ウェンディもお疲れ様♪」

そんな七海と悠奈を見て、やれやれといった感じに話し合うレイアとウェンディ。
小さな妖精2人にまで呆れられて心底不機嫌な七海。そんな今の七海に後ろから声をかけたもんだから、イライラが爆発してしまうのも仕方なかったかも知れない。

「よぉ、何し話してんだよ2人で仲良くさ。オレにも聞かせて♪」

「うっさいボケッ!カンケー無いヤツは引っ込んどれっ!」

そんな暴言を腹立ち紛れに現れた窈狼にぶつけると、アリーナの方へと向かって行ってしまった。

「ボケッ・・って、な、なんだよいきなり・・・」

「ご、ゴメンヤオラン・・多分・・アタシのせい・・・」

まったく。と呟きながら悠奈はヤレヤレと首を振った。
七海はイイコなのに、何故日向のこととなると過剰に反応するのか?1人で怒って関係ない窈狼にまで当たり散らす始末。七海に密かに憧れている窈狼は先ほどの八つ当たりでシュンとしてしまっている。放課後は日向とのデートだと思い少々浮かれた悠奈だったが、一気に重〜い気持ちになってしまった。

「ハァ・・・ヒナタくん、ゴメンね」


「アレ?みんなも来たのか」

教室を出てすぐの階段に現れた悠奈。それから七海に窈狼の姿を見て、キョトンとした表情で言った。
冷や汗混じりに笑う悠奈の横にはピリピリした空気を発散させながら不機嫌なカオで膨れる七海と、その七海をチラチラ見ては軽く落ち込む窈狼。
何やら訳ありなみんなの様子に戸惑っている日向に悠奈はおずおずと切り出した。

「ご、ゴメン!1人で・・・来ようとしたんだケド、ナナミに見つかっちゃってさ・・」

「ヒナのウワキものぉ!ウチをのけ者にしてユウナと仲良しするなんて承知せぇへんでっ!」

そんな様子を見て、日向も、ヤレヤレまたか。と苦笑い。

「わかったよ。みんなで行こうぜ!やっぱそっちの方がいいと思うし」

「え?」

「実はさ・・今日、ユウナに会わせたい人がいたんだ」



聖星町の住宅街、その町外れに佇む洋館。

そここそはメイガス・エミリーの手先であり、悠奈たちセイバーチルドレンズに敵対する子ども達の組織、ダークチルドレンズのアジトである。

「お帰りなさいませサキ様。お疲れ様でございます」

アジトの世話係、オーガ族のコズンに恭しく一礼されたブラウンヘアーの少女、サキは、彼に言葉を返すでもなく、階段に向かった。
紺のキャミソールに、水色のミニスカート。
白のショールを身に付けたスタイル。しかし、そんな彼女を珍しくコズンが呼び止めた。

「サキ様。少々お話が・・」

「コズン、言わなかった?わたしが返事しない時は話しかけないで、って」

と言って、浅黒い顔の彼を睨み付ける。
しかし、いつもはサキに忠実な彼が、珍しく反論した。

「ハイ。そうしたいのですが・・取り急ぎ広間の方へお越しいただきたいのです」

「ハァ?」

「もうサキ様以外のチルドレンズメンバーはお集まりです」

「広間に?どういうこと?」

「エミリー様からのウィザーズ・コレスポンド、魔術通信が入っております」

「!?エミリー様から!?」

その言葉を聞いた瞬間、サキの表情が一転した。


大広間。
サキが来てみると、既に他のダークチルドレンズメンバーが勢揃いしていた。いつもは憎まれ口を叩くアカネや皮肉屋のジュナも、みんなが引き締まった顔でサキを見つめている。彼女らだけではない、それほどメンバー達にとって、エミリーは特別な存在なのだ。
コズンから水晶玉を受け取るサキ。

「ア・ルケ・ホーマ・イゾ・ウエ・・」

水晶に手を翳し、呪文を唱える。すると途端に水晶玉が光り輝き、メンバー達の目の前に、紫のパーティードレスに似たローブを纏った、豊かなロングの赤髪の美女が姿を現した。

「ごきげんよう。私の可愛い子どもたち・・・」

「エミリー様!」

サキがそう言って跪く。あとのメンバーもそれに続くように頭を垂れる。
目の前に写し出された赤髪の美女、エミリーは子どもたちを1人1人見回すと、ニコッと笑ってから再び口を開いた。

「どうかしら?最近の調子は。アナタ達が言っていたユウナってコとは、もう決着ついたの?それに、レイアはもう捕まえた?」

「えっと・・・それは・・あの・・・」

「なぁに?ジュナ」

微笑みながら尋ねるエミリーにジュナは言葉に詰まって焦りながら辺りを見回す。

「まだなのね」

「申し訳ありませんエミリー様!敵のセイバーチルドレンズ、思った以上にしぶといヤツラで・・今に目にもの見せてやりますから、どうか・・・」

「クスッいいのよ。少しくらい歯ごたえのあるコの方が面白いじゃない。ただ・・」

エミリーは笑いながら言うと、目を細めてあらためて子どもたちを見つめた。
そして、一拍おいてこう言い放ったのだった。

「私達の理想を実現するためには、邪魔する者には容赦してはならない。わかってるわね?」

「はっ・・ハイッ!エミリー様!」

「イイコね、サキ。期待してるわよ。みんなも、楽しみにしてるわ」

独特の迫力を秘めたエミリーの言葉に、その場の全員がかしこまり、動けなかった。

「それじゃあ・・」

「ま、待って!エミリー様!」

「あら?なぁに?サキ」

通信を終えようとしたエミリーをサキが呼び止めた。

「ヤオトメ・ユイトのことで・・」
「まあ、ユイトがどうかしたの?」

「エミリー様はご存知ないんですか?アイツが、私たちの邪魔をしたことを!」

「・・・・」

「ユイトは、私やアミの攻撃から敵のセイバーチルドレンズのメンバーを・・・愛澤悠奈を助け出したんです!もうちょっとで痛い目を見せてやれたのに・・」

「そうだよぉ!チョーショックだったんだからぁ、アミもプンプン!」

ジュナやアミもサキに呼応するかのように口々に言い出した。

「エミリー様、ユイトはこの場にも・・エミリー様が通信されるココにもいません。なのに、エミリー様はどうしてヤオトメ・ユイトをそこまで特別扱いされるんですか?」

訴えるようなサキの問いかけに、一拍おいてから、優しくエミリーは答えた。

「彼には彼のやり方があるんでしょう。あまりアナタ達が気にすることじゃないわ」

「そう・・・ですか」

「これからの活躍、期待してるわよ。みんなも、楽しみにしてるわ」

そう言い残してエミリーは子ども達の前から姿を消した。

「・・・エミリー様、怒ったかな?」

心配そうに尋ねるジュナに、サキは厳しい表情のまま答えた

「私たちは私たちの仕事をやれ。ってコトでしょ?簡単な話よ。エミリー様のご期待を裏切らないためにも、早いとこセイバーチルドレンズをなんとかしないと・・」

「おーっほっほっほ!どうやらついにアタクシの出番のようですわねぇ♪」

そんなサキの言葉にいち早く反応して、広間中央に歩み出てきた人物がいた。

肩まで掛かった少々くせのあるカールが特徴の青い髪。
独特の猫目に、薄いバラ色の唇と頬。美しさと意地悪さが内在した雰囲気を湛えた少女だった。

「サキさん、今日こそは満を持してわたくしが行かせていただきますわ!」

「ミウ・・アンタが?」

サキのまさか?と言うような返事に、少女はにやりと不適な笑顔を浮かべた。



「ね〜ヒナタくん、あのさぁ・・」
「ん、何?よっしオレの勝ちっ!」
「あー!負けたぁ〜、なんやねん!ババとかいらんねん、もおっ!」

無邪気に七海とババ抜きを地べたに座り込んで楽しむ日向に、悠奈がたまらず声をかけた。
周囲の視線や場違いな自分たちの行為に、窈狼も辺りをキョロキョロして顔を引きつらせている。

「何やってんだろあのコたち?」
「3年生かなぁ?」

「下駄箱近くに座り込んで何やってんだ?」
「トランプ?」
「何でこんなトコで?」

口々に聞こえてくる台詞に悠奈はもう顔が真っ赤、我慢できなかった。

「ひ、ヒナタくん・・ココってさぁ、ドコか知ってる?」
「うん、6年生の下駄箱」

あっけらかんと答える日向に、悠奈は一瞬たじろぐが、引き下がることなく質問を続ける。

「あ、あのさあ、わかってるなら、どーしてココでババ抜きなんかしてるワケ?ほら、目立っちゃってるし・・」

「え?待ってる間のヒマ潰し」

「待ってるって・・・誰を?」

そんな窈狼の言葉に、日向はトランプを片付けながら答えた。

「オレさあ、いろいろ考えてたんだよ。この前イリーナ様と会ってから、オレ達の仲間ってまだ8人くらいいるんだろ?」

「?そ、そうだっけ?」

悠奈も七海もそんなに多かったかな?と首を傾げる。

「言ったじゃん!ユウナちゃん!」
「ナナミちゃんもっ、忘れちゃダメっ!」

即座にレイアとウェンディから激しい突っ込みがくる。ユエやイーファもヤレヤレと言った表情。
その様子を見ながら日向はさらに続けた。

「でさ、オレ考えたんだ。仲間になってくれる人ってどんな人がいいかな?ってさやっぱり、強くて優しくて、頼りになる人がいいだろ?」


「うんうん」

真剣な表情で聞いているレイアに、日向はニヤッと笑って、そして言った。

「そしたらいたんだよっ!ちょうどいいのが!」

「ホントにぃ!?」
「でかしたぞヒナタ!」
「うんうん!ヒナタエライ!」

レイアやイーファ、ユエに誉められ得意気な日向。

「ヒナタくんて・・結構マジメに考えてるんだね」

「あったりまえじゃん!一度やるってきめたなら投げ出すな。って、お父さんも言ってるしさ」

「それで、誰なん?その頼りになる人って」

「もうそろそろ来てもいいころなんだケド・・あっ!来た来た!おーい!」

七海の質問がきたところで、日向は廊下の人だかりの向こうに、目当ての人物を見つけて手を振って駆け出した。
悠奈たちも、その場に駆けつける。

「おっそいよ!何してたのヒカルちゃん!」

「おお?なんやヒナやないか。それに、ナナもヤオまで、みんなで集まって何やってんこんなトコで」

現れたのはアジアンブルーに近い黒髪で、やや褐色の肌の少年だった。
6年生だということもあるだろうが、悠奈から見れば長身で、やや痩せ型の体躯ながらも、筋肉が引き締まった精悍な体格をしていた。

「ヒナタくん・・その人・・・」

「ああ、紹介するな!6年生の久遠光(くどうひかる)くん。オレが小さい頃から遊んでもらってる・・まぁ、京兄ちゃん以外のオレの兄貴分みたいな人かな?」

「ヒナタくんが紹介したい人って・・」

「まさか、ヒナタ・・ヒカルくんを?」

「そっかぁーw!ウンウン、わかるわかるわ!ヒカルちゃんなら納得!強いし、面白いし、ムッチャ優しいし♪ウチ、ヒカルちゃんならオールオッケイ!ヒカルちゃん大好きっ!」

口々に言われて、黒髪の少年、久遠光は戸惑いを隠せず、目の前の子ども達を見回した。

「??・・な、なんやねん一体・・」



「ゴメンねヒカルちゃん。いきなり押し掛けちゃって・・」
「ヒナの口からそんなコメント聞けるやなんて、なんや意外やな」
「なんだよー?ソレ!もうオレだってちっちゃい子どもじゃないんだから!」
「ハハッ、安心せぇ、遊ぶくらいやったらいつでもつき合うたるわ」

悠奈たち4人は、ヒカルに案内され彼の自宅までやって来ていた。オートロック式の高級マンション。その一室らしい。

「さって・・と。まだ誰も帰って来てへんな」

言いながら、部屋の前のカメラに顔を近づける。即座に特殊なレーザーが光の顔を照らし、ピーッという音の後に「確認完了。オカエリナサイマセ」と無機質なコンピューター音声が聞こえ、ロックが解除された。

「なっ、何?今の?」

「人物識別システムってヤツだよ。登録してある人間の目の色だとか、顔の輪郭だとか体温だとかで人を識別できる機械なんだってよ。オレのママもアメリカで経験したみたいだぜ」

窈狼の説明にただ「へぇ〜・・」と感嘆の声を漏らす悠奈。そんな悠奈を見て七海も窈狼に続くように説明する。

「ま、ヒカルちゃんちって、ウチらの10倍はお金持ちやさかいな。おうちにもこんくらいハイテクな機械あっても不思議やないわ」

「そう・・・なんだ」

「金持ちなんわオレやのうてオヤジやケドな。ま、そんなトコつったっとってもオモロないさかいあがってんか?たっだいま〜」

「おじゃましまーす」

光、日向に続いて悠奈達も部屋の中へと入っていく。
流石は市街地にも近い距離にある高級マンションの最上階。豪華な設備にキレイな内装。
何より眼下に広がる景色が絶景だった。広さも充分だ。

「うわあぁぁ〜〜・・スッゴぉ〜い・・」

「高いねぇ〜、ユウナちゃん!」

あちらの世界では高層の建物が珍しいのだろうか?レイアやイーファなど、妖精たちも真下に広がる景色に歓声を上げていた。

「どや?景色は悪ないやろ?」

ユウナの目の前に、光が冷たい飲み物を持ってきて言った。

「あ、は、はい・・て言うかスゴイ眺め。気持ちイイ!」

大きな窓の側で、光をいっぱいに浴びて伸びをする悠奈に、光は笑いかけた。

「ウワサのクール&スパイシーな美少女転校生。愛澤悠奈・・やろ?」

「びっ・・びしょっ?・・ハァ!?」

突然脈絡の無いことを言われて、悠奈は貰ったレモネードを口から吹きそうになった。
紅くなってしどろもどろの悠奈に、ニヤニヤしながら光が詰め寄った。

「やっぱそうか!話だけはヒナやナナにしょっちゅう聞いとってん。可愛いケド面白いって。ナナはちょっとナマイキや言うてたな。ま、どーせヒナがらみのヤキモチや思うてたケド♪」

「あー!ひっど〜い。なんやのその言い方!ヒカルちゃんイジワルや!」

「にっひっひひ!w怒るな怒るな。聞いてた通りのコや。ま、ヒナもナナもヤオも、アホなところもあるけどええヤツラやさかい。仲良くしたってな!」

歯を見せて無邪気に笑う光。そんな彼を見て悠奈もあったかくなった。
なぜ日向や七海がこの久遠光という少年が大好きなのかわかった気がした。

「それで、ヒナ。今日はどないしてん?」

「え?ど、どうしたっ・・て?」

いきなりそんな不意討ちのように尋ねられて、日向はビクッと体を硬直させた。

「べ、別に・・ただ、ユウナにヒカルちゃん紹介したかったし・・あ、遊ぼかなぁ〜・・なんて・・ハハ・・」

必死に取り繕う日向だが、光はニヤぁ〜と笑って日向に顔を近づけた。

「ヒナ、お前あんまりウソつけへんねんから、ヘタに誤魔化そうとすると余計に怪しまれるで?何か用があるからオレんちまで来てんねやろ?何ぞ言うてみいや。ホレ」

そう言われて日向はしばらく俯いて押し黙ってから意を決して話始めた。

「あ、あのさ、ヒカルちゃん。実は・・・ヒカルちゃんに頼みたいコトがあってさ・・」


「というワケでぇ、グローリーグラウンドのフェアリー、レイアです!」

「オレはイーファ!」
「ウェンディよ」
「オイラ、ユエ」
「ヴォルツでっすー、まいどー」
「ケンだ。覚えとけ」
「リフィネです。ごきげんよう」
「オラオラ〜!バンさまだぜぇーっ熱いぜバカヤロー!」
「う〜んとぉ・・ルーナはルーナなのでしゅう!」


「・・・・・」

「えっと・・ちゃんと見えてる?ヒカルくん。アタシたちの姿・・・よ、ヨロシクねv」

目の前に突如視認可能になった妖精たちに、光はお約束の「だあぁぁ〜〜〜っっ!? 」という絶叫を上げた。

「なっ、なんやなんやっ!?何なんやコイツらっ!!?」

床にヘタリ込みながら、レイア達に指を突きつけて後退りする光。年上の光のその様子に、日向と七海は顔を見合わせて苦笑いした。

「まぁ、ウチらも初めはビックリしたもんなぁ、わかるわヒカルちゃんの気持ち」

しみじみと語る七海を横目で見ながら、ヒカルはあらためてレイアたちに顔を向けた。

「ほ、ホンマに・・マジに本物なんか?」

レイア達の姿をまじまじと見つめる光。

「信じらんないかも知れないケド・・アタシたちもこのコたちのゴタゴタに巻き込まれちゃったみたいで・・・レイア」

悠奈がレイアを振り返って名前を呼ぶ、するとレイアがおずおずと前に出てきて、ことのあらすじを光に説明し始めた。



「グローリーグラウンドかぁ〜・・へぇ〜、そんなトコがあったとはなぁ〜・・・」

「信じてくれた?」

「いや、まだ半信半疑やケド・・実際見えてもうてるからなぁ〜」

「ヒカルちゃんにも、オレ達に力貸して欲しいんだ。こんなコト頼めるの、ヒカルちゃんかアキちゃんぐらいだったし・・・お願い!」

日向が頭を下げると、七海も窈狼もあわてて手を合わせて頼んだ。そんな様子に、頭をボリボリかいて困り果てる光。

「って言われてもなぁ〜・・やっぱカンベンかな?もしレイやおっちゃんに面倒かけるよーなコトんなったらイヤやねん」

「レイ?」

悠奈が漏らした疑問の声に光は「そう」と答えてグラスの飲み物を一気に飲み干した。

「オレ、事情あってな。2年くらい前から実家離れて麗(れい)って幼馴染みと住んでんねん。前は麗と家庭教師の先生と一緒やってんケド、先生が仕事忙しなってきたから今は麗のとーちゃんと一緒に暮らしてんねん」

「えぇーー?じゃあ、何!?その・・ヒカル・・くん、パパやママと離れ離れなの? 」

「あー・・ま、実家には週に1、2度帰ってるさかい、別に不便はないな」

話を聞きながら悠奈は光の姿をどこか遠い人を見つめるような気持ちで彼を見ていた。

親と離れ離れで暮らす・・・。
一体自分だったら果たしてそのようなことができるだろうか?クールに外キャラを作り、周りからは強くてカッコイイと思われている悠奈だったが、ことさらに怖いものが苦手で、根底ではママやパパを頼りにしている自分を悠奈はよく自覚している。
そんな悠奈からしたら、家庭の事情が、とは言え親と離れて暮らしているこの久遠光という少年は、とても大人びてカッコ良く映った。

「っつ〜ワケやから、ゴメンな!」

ニカっと笑いながら謝る光。流石にそれ以上悠奈達は何も言えなかった。
そう、別に明確な報酬が用意されている訳でなし、悠奈達だってレイア達に強くせがまれたとは言え、結局のところ自分で判断して好きにやっているだけなのだ。
セイバーチルドレンズにならないか?といきなり言われて、状況を理解したうえでハイやります。などと答えるほうが元来どうかしてる。
光の反応は至極もっともだった。

「ま、お前らがウソついてへんってコトはようわかったし、妖精なんて珍しいもん拝めたしな。ゆっくりしていき」

そう言いながら、日向の頭をガシガシと撫で、お菓子を出してやろうかと光が冷蔵庫を開けた時だった。

ピンポーン。と来客のインターホンが鳴ったのだった。4人が入口の方を見るより早く、「こんにちは〜」という声が聞こえてきて、ものの数秒でリビングルームのドアが開けられ、1人の女性が姿を現した。

「麗ちゃぁ〜ん、光ちゃ〜ん、元気ィ〜?v」

「お、なんやセンセ。いきなり現れて・・何ぞ用でもあったんかいな?」

「あら、光ちゃんだけ?麗ちゃんは?」

「まだ帰ってけえへん。今日はレナもナミも仕事ない言うてたからレナとどっか寄り道でもしてんちゃうか?」

「まあ、まったくあのコたちったら!なるべく寄り道はやめなさい、って言ってあるのに」

そんなまるで親子のような会話をしながら、光に「センセ」と呼ばれた女性が中に入ってくる。
悠奈達からみれば、正に天を突くという表現が当てはまるだろう長身の女性だった。普通の成人男子も上背で大きく上回っている。バレー選手のようだった。
紅い髪を肩口までで切りそろえたヘアスタイル。白のシャツに青のジーンズというラフなスタイル。
肩幅も広く、体も筋肉質で引き締まっている。しかし、別に男臭い訳ではなく、むしろ色気がただよう文句なしの美女だった。

(うっわぁ〜・・キレイな人・・誰だろ?)
「こんにちは!ヴァネッサ先生っ」
「センセーおいーっす♪」
「お疲れ〜ヴァネッサセンセー」

悠奈の隣で、女性に対する返事が3セット上がる。戸惑う悠奈とは裏腹に日向、七海、窈狼は満面の笑顔だ。

「あらぁ〜、ヒナちゃんナナちゃん、それにヤオくんまでぇ。いらっしゃい♪」

赤毛の美女は日向達に微笑むと、温かいもてなしの言葉をかけた。それを聞いて、悠奈はこの女性と日向達は知り合いなんだと悟り、お互いを見比べていた。

「あら?見かけないコね」

「あ、あ!はっ・・ハジメマシテっ!あのっ・・あの、愛澤・・悠奈っていいます」

突然見つめられて、紅くなりながらもしどろもどろに答える悠奈。知らない人の前だと、ことさら緊張してしまうのは、子ども特有の反応、それには悠奈も例外ではなかった。しかしこの後、悠奈は思ってもみなかった事態に予想外の悲鳴を上げることとなった。

「うあっ・・きゃあぁぁっ??」

「かあぁわあいぃぃ〜〜vv♪♪なんて愛らしいのぉ!?ねえねえ、このコだぁれ?まさか、光ちゃんったらナミちゃんとフタマタぁ〜?」

突然悠奈をがしぃっ、と力強く抱きしめ、頬擦りしておまけにキスまでほっぺにもらうという歓待ぶりを受けた悠奈はあまりの出来事に目を白黒させた。

「ゆっ・・ユウナちゃん大丈夫!?」

「うぎゅぅ・・ぐぐっ・・くるしぃぃ〜〜・・」

ヴァネッサ、そう呼ばれた赤髪の女性にキツク抱きしめられてあわや窒息。となりそうな悠奈にやれやれと光が助け船を差し出した。

「なん言うてんねんアホ!オレやなくてヒナのクラスメートや。ホンの3カ月前くらいに転向してきたばっかのコや。オレらの性格とか、先生のノリとかなんもわからんねん。せやさかいカワイイから言うてあんまり最初から抱きついたりとかしてると逆に嫌われるで?」

「あらあら、そうなの?ゴメンネ」

少々残念がりながら悠奈を放すヴァネッサ。コホコホッと軽く咳き込む悠奈。
咳き込みながらも、悠奈はこの目の前の長身の女性を見上げた。

「え・・えっとぉ・・・」

「うふっ、はじめまして悠奈ちゃん。ヴァネッサって言います」

「ホラ、さっき言うた、前までオレが幼馴染と一緒に暮らしてた時に世話してくれてた家庭教師のセンセーや」

「か・・ていきょうし?・・っえ?てコトは。塾のセンセとかじゃないの?」

「あぁん?そーいやべんきょーは見てもろたことあらへんな」

「まぁ、その・・・一種の世話係?乳母みたいなものだったかな?今でこそちょっと落ち着いたけど、お世話しだした当初はヤンチャでタイヘンだったんだからぁ」

そんな愚痴を溢しながらも、心底楽しそうに語るヴァネッサ。その姿を見て、これも一種のフクザツな家庭環境ってヤツなのかも?とちょっとだけ考えた悠奈だった。
雰囲気が悪くなったわけではない。ただ、自分が折角の日向たちの話を断ってしまったことで、ちょっと意気消沈してしまっている年下の弟分達の姿を見て、光が「よっしゃ!」と声を発した。

「センセーもきてもーたし、なんや落ち着けへんやろ?ちょっと外出ようや」

「え?ヒカルちゃん?」

突然の光からの誘いに、日向も七海も戸惑いながら光とヴァネッサの両者を交互に見やる。

「え?でもウチラさっき来たところちゃうの?」

「ええからええから、一旦出ようや。アイスおごったるさかい、ほなセンセ!ちょっと出てくるわ!」

「あら、何よ?先生お邪魔だったかしら?折角今日は麗ちゃんや一哉さんと一緒に先生のおいしいゴハンご馳走してあげようと思ったのに」

「ちゃんとメシまでには帰ってくるよって、心配せえへんでも大丈夫やって、ほなな!」

そんな風にまくしたてると、あっという間に悠奈達と一緒に、部屋を後にした光。
その姿を見送りながら、ヴァネッサは溜息交じりの笑顔を浮かべた。

「・・・なにかヒナちゃんたちに事情があるのかな?あのコなりに気をきかせてあげたのね。成長したなぁヒカルちゃんもv」



「ヒカルちゃん、どうして?」
「んあ?」

オヤツ時の公園。
露店で売っていたアイスクリームを人数分買ってくれて、ベンチでソーダシャーベットをひとなめした光に、日向は買ってもらったアイスに口をつけるのも忘れて聞いた。

「どうしてって、何がやねん?」

「だって、いきなり外に行こうとかさ・・ヴァネッサ先生とだって、ホントはもっと話したかったんでしょ?」

「センセーがおったらお前ら安心してその小さいヤツラと会話できひんやろ?そいつら、普通の人間には見えんらしいからな」

あ!と悠奈は気がついて光のほうを見つめた。他の日向や七海たちの反応も悠奈と同じで、皆互いの顔を見合わせ、傍らにいる妖精達を眺めた。
光は自分達に気を使ってくれたのだ。安心してレイアたちとも話ができるように、事態が呑みこめている光と自分達だけで気兼ねなく話をできる場を整えてくれたのだ。さりげないながらも細やかな気遣いに、本当にこの人が自分たちと同じメンバーになってくれたら・・・とレイア達だけでなく、悠奈ですら思った。

「あんさんホンマにええヤツやなあ、ワイもあんさんがレイアの仲間になってくれたらとホンマに思うでえ」
「わ!なんやねんお前」
「ワイ、ヴォルツいいまんねん。ワイ、アンタのコト気にいったわ。ワイとなぁんか言葉も似てるしな」
 
紫色の長髪が特徴の雷の妖精、ヴォルツが光の前に進み出て、ニコニコと話しかけた。人間でないにもかかわらず自分とまるで付き合いの長い友人に対するように親しげに話しかけてくる彼に、光は少々戸惑ったが、こちらも笑顔を浮かべて答えた。

「オレ、そないウサンクサイ関西弁つこてへんケドな。どこの言葉なんソレ?」
「これか?コレはワイらグローリーグラウンドでも南外れのワイの生まれた村に伝わる言葉や〜」
「なんやもうその話がウソ臭いケド、なんやなかなかおもろいヤツやなお前、オレ久遠光、よろしゅな、え〜と・・」
「ヴォルツや〜」
「おおっ、せや、ヴォルツ!」

自分も初めてレイアを見たときはビックリして、こんなに早く現状を呑みこめなかったのに、なんて対応力の早い人なんだろう。と悠奈は光を見て感心してしまった。
もうすでに、イーファやレイア、ユエやウェンディとも意気投合して会話している。その他の妖精ともだ。

「気にいったか?」

「え?」

ふと話しかけてきた日向。彼も光の方を見ながら続けた。

「優しいだろ?ヒカルちゃん。オレもナナミも、ちっちゃい頃からあんな優しいヒカルちゃんが大好きなんだ。誰とでも仲良くなれるし」

「・・うん、そうだね」

その通りの人だな。と悠奈も光を見つめていた。

「あ〜あ、ヒカルちゃんなら仲間に入ってくれると思ったんだけどなぁ〜・・」



「うふふふv」

悠奈たちのいる公園から少し離れた広場、中央に特徴的な噴水が置かれている広場。
クジラのモニュメントが潮を吹くさまを噴水で見立てた、通称クジラ広場。クジラのモニュメントは「クウたん」という愛称で親しまれ、付近でも人気のデートスポット。そこに彼女はいた。
ダークチルドレンズのメンバーの1人、青い髪の少女、ミウが不敵な笑いを浮かべて広場を眺めていた。
ごっこ遊びで盛り上がる子ども達、その子ども達を遊ばせながら話に花を咲かせる若いママ友集団。
外回り帰りに一服するサラリーマン。スケートボードでパフォーマンスを披露する青年達、ダンスの練習をしている少女達、様々な顔が広場にはあった。
その光景を見ながら、ミウはほくそ笑んでいた。

「ここなら、ここにいる人達からたくさんのマイナスエネルギーが集まりますわ。心に闇を植え付けるのもカンタンそう♪」

ミウはそう言うとポケットから宝石を取り出した。サキのともジュナのともアミのとも違う宝石。
サキは紅い宝石だった。ジュナが緑、アミは青。しかしてこのミウの取り出した宝石は、淡い青、ライトブルーの宝石であった。
そして他の子のように宝石を突きだして呪文を唱える。

「闇より出でし邪なる石、ダークジュエルよ。我が闇の魔力に答え、その力を目ざめさせよっ!

宝石から黒い闇の魔力がたち上る。そのまま浮き上がると空中を疾走し、公園のマスコットであったクジラの像に取り付き、見る間に水色と濃紫の光に包まれる。

「さあ!おいでなさいっ!ジュエル・モンスター、リビングモニュメント!」

彼女の声に答えるかのように、光の中から「モガ〜〜・・」と重低音の声が響き、広場の噴水の中にいたクジラが目を赤色に輝かせ、作り物のハズのヒレを上下に動かしていた。

「きゃああぁーーーっっ?」 「なっ・・なんだなんだぁ!?」 「くっ・・クジラがぁ!?噴水のクジラがっ・・う、動いてる!?」 「おっ、オバケぇ〜〜っ」 「ふえ〜ん・・クジラ怖いよぉお〜〜っ」

広場にいた人々が皆様々な声を上げて逃げようとしていた。それを見ながら上機嫌で高笑いするミウ。

「おーっほっほっほ!みんなヤバンな声を上げて逃げちゃってますわ最・高!まさしくチョ〜ウケルぅ〜ですわ♪vさあっ!リビングモニュメントのクジラさん!せいぜいあの方たちの心に闇を植え付けて、マイナスエネルギーを吸い取ってあげなさいですわっ!」

その声に突き動かされるようにクジラはのそのそと噴水から這い出して吠えて動き回った。



「ハッ!?」

「レイアっ!この気配!」

「うん、イーファもウェンディも気づいた?これって・・」

「ああ、オイラも感じた。闇の魔力だっ」

ミウがジュエルモンスターを召喚して暴れまわりだしたちょうど同じ時、レイア達グローリーグラウンドの妖精達はすぐさまその乱れた闇の魔力をキャッチし、意識を集中させた。

「コッチ!ユウナちゃんっ!きっとダークチルドレンズがまた現れたんだよっ」

「ええっ?またぁ!?」
「どこやねんな?」

レイアの言葉に辟易としつつも、レイアの指さす方向を見つめる悠奈に七海。日向や窈狼も顔を見合わせて頷いた。

「ヒナタくん・・」

「行こうみんなっ!レイア、イーファ、案内してくれ!」

「よっしゃっ!」
「うんっ」

「?・・なんや?何が起こってんや?」



「なっ・・んだ?アレ?・・アレってさぁ」
「うん、アレってどーみても・・」
「クウたんや・・・」

悠奈達がレイア達に連れられて広場に駆けつけた時は、水を撒き散らしながら子ども達の人気者、クジラのクウたんがジタバタ暴れまわっていた。その上に見える1人の女の子。

「おーっほっほっほ!さあリビングモニュメントのクジラさん、せいぜい暴れまわってみなさんの心に闇を植え付けてさしあげちゃって!そして、溢れ出たマイナスエネルギーを我らがエミリーさまに献上しますのよ!」

「ユウナちゃん!あのコっ」

レイアの言葉に、悠奈は少女をキッと見据えて言い放った。

「待って!」

「あら?」

青髪の少女が、モンスターの上から悠奈を見下ろす。自分に声をかけたのが年下らしい女の子だったことに気づくと、ミウは不機嫌そうに返した。

「なぁに?このアタクシに恐れ多くも意見しようとなさるのはどこのどなたかしら?」

正に慇懃無礼(いんぎんぶれい)。言葉尻は丁寧だが、人を人とも思わぬかのような高圧的な態度に、悠奈も内心ピクリときたが、それをこらえて答える。

「アナタ、ダークチルドレンズでしょ?どうしていつもいつもこんなコトするの?こんな・・こんなヒドイこと、みんなを苦しませてっ!」

悠奈は辺りを見回しながら言った。
動く像が発する魔力で心に闇を植え付けられ、マイナスエネルギーを発している人々、アカネやジュナの時と同様、みな一様に苦しそうな表情を浮かべて昏倒している。
その言葉にミウはハハ〜ンというカオでニヤリと笑うと、悠奈を指さして言った。

「アナタですわね?愛澤悠奈!エミリーさまの崇高なお考えを汚し、アタクシ達の理想を踏みにじろうとする悪の魔法使い、セイバーチルドレンズ!」

「アホかあっ!悪はアンタらやろ!」
「そうだっ!みんなを苦しい目に会せてるってのにまるでコッチを悪党呼ばわりしやがって・・許さねえぞっ!」

七海と窈狼の言葉に、ミウは声高笑った。

「おーっほっほっほ!イヤですわ、これだから学の無い庶民の方は、エミリーさまの理想とする世界がどれほど素晴らしいものかも知らずに・・・」

「たとえお前達の理想がどんなものだって、何の関係もない人達を苦しめていいなんて、そんなのおかしいだろ!」

日向の凛とした目に射抜かれて、うっ、と少々たじろいだミウだったが、すぐにフンッ!と口をとがらせて

「理想の実現のためには少々の犠牲はやむをえませんのに・・それも理解できないような低能な方達とこれ以上言い争っても無駄なようですわね!」


そう反論すると、

「ダークスパーク・トランスフォーム!」

手を頭上に掲げてそう叫ぶ、するとミウの体がダークパープルと水色の光に包まれる。みるみる光が体に纏わりついてコスチュームを形作り、フラッシュとともにミウは変身した。
ウェーブのかかったセミロングヘアがアップして頭の上に盛られ、雪の結晶を散りばめたような髪飾りをさしたヘアスタイルに、衣装はライトブルーを基調に、胸にサファイアの宝石をあしらった胸飾り付きのリボン。その装飾を施された、上は東洋風の着物、下は西洋風のドレスのようななんともエキゾチックなコスチュームだった。

「あらためまして、はじめましてセイバーチルドレンズの皆さん!ダークチルドレンのメンバーで最も麗しく、美しく、気品溢れる至高の才女!ミウにございます。お見知りおきをvおーっほっほっほっほ!」

なんとも自己中心的で独りよがりな自己紹介。それを清々しいまでにやりきるこのミウという少女の度胸に、悠奈達も少々圧倒されていた。大体自分のことを至高の才女だなんて言ってしまえる辺りに彼女の自意識の高さが伺える。

「ウルワシク・・うつくしくって・・自分で言っちゃう?」
「アタマ逝ってんちゃう?どんだけ自分大好きやねんっ!なんかハラ立ってきた、ユウナ!ウチらもいくで!」
「え?あ・・・うん!」
「よおしっ!」
「らじゃっ♪」

4人が声を揃えて、変身アイテムの携帯電話を翳し、『シャイニングスパーク・トランスフォーム!!』と叫んだ。
見る間に今度は悠奈達がそれぞれ四者四様の色に光り輝く。
ピンク、赤、青、黄のそれぞれの輝き、光が悠奈たちのコスチュームを形作り眩いフラッシュが瞬くと、中から変身した悠奈たちが姿を現した。

「輝く一筋の希望の光・・セイバーチルドレン・マジカルウィッチ!」

「情熱迸る勇気の炎・・セイバーチルドレン・ブレイブファイター!」

「大いなる、青き海の力・・セイバーチルドレン・ケアヒーラー!」

「闇夜を照らす輝きの月・・セイバーチルドレン・シャインモンク!」


「うおおぉぉーーーーっっ!??」

と、変身して名乗りを上げた瞬間、悠奈たちの背後からそんな驚きの声が上がった。

「ゲッ!ひっ・・ヒカルちゃんっ!?」

「あっちゃあ、おったんかいな・・ビックリさせてもうたかな?」

悠奈も窈狼も七海と日向の声にしまった!という表情。
見ると後ろには自分達に指を突きつけながら目を丸くして口をあんぐり開けている久遠光の姿があった。妖精たちもマズイかなとう顔。

「おっとやっちまったぜい、まだ事情が呑み込めてないみたいだしな」
「本当ねぇ、どうしましょう?」
「ケッくっだらねえ。キモが小せえ証拠よ!」
「あのヒトびっくりしてるでしゅう。じゅえるもんすた、こわいでしゅう」

バン、リフィネ、ケン、それにルーナなど他の妖精達も心配そうな表情だが、意外にも光の答えはその心配を払拭させた。

「なんや・・ホンマに変身とか出来てたんかい。ってコトはやっぱりさっきの話ってホンマのコトやねんな」

そのあっけらかんとした言葉に悠奈たちやフェアリーたちはガクッとずっこけた。

「ひ、ヒカルちゃ〜んっ」
「いまさらなぁ〜ん?」

「いやぁ、いくらなんでも流石にこの目で見るまでは信じられへんかってん、別にヒナたちがウソつきとかそんなん思ってたんちゃうで。ただ・・そのぉ・・な。スマン!」

軽く手を合わせて謝る光の姿に悠奈は対応力早っ!とちょっと驚くとともにクスリと笑った。
本当にイヤミのない人だ。と、和んだのも束の間。レイアの声が飛んできた。

「来たよユウナちゃんっ!」

「モガ〜〜・・・」

低くちょっと間延びしたような咆哮を上げて、クジラの像が悠奈たちに襲いかかる。

「オレたちが突っ込むから、ユウナとナナミは後ろから援護してくれ!」

「わかった!」
「オッケー、ヒナ!」

「いくぞヤオラン!」

「おうっ!ウルフクローフィスト!」
「ジャスティスブレード!」

日向がそれぞれに指示を出しながら、武器を召喚して窈狼とともにクジラに切り込んだ。

「おぉりゃあっ!」
「うりゃりゃりゃりゃりゃっ!」

クジラが噴き出してきた水を日向が横に薙ぎ払い、窈狼が手甲で斬り払う。そのまま日向は背後に、窈狼は下の方へ回り込み、さらに窈労が連続でパンチを繰り出してクジラの胴体に叩き込んだ。
ガッ ガッ ガッ ガッ!
という炸裂音とともに、クジラの体を衝撃が伝わり、小刻みに振動する。

「きゃっ?あっあぁっ!きゃあっ!ちょっと何てコトしますの?アブナイじゃないですことっクジラさん!まずはあの足下の方から片付けなさいっ!」

クジラの上に乗っかっていたため、窈狼の攻撃の揺れで体勢を崩して落ちそうになったミウが、怒りながらターゲットを窈狼に絞りモンスターに指示した。しかし、それを背後から日向が待ってましたとばかりに妨害した。

「させるかあぁっ!」

「がもぉ〜・・っ」
「きゃあぁぁ!?」

渾身の一撃。日向の上段斬り下ろしがクジラの脳天に決まり、モンスターはうめき声を上げながら地に滑り込んだ。その衝撃でミウも地面に投げ出される。

「いっ・・たいですわぁ・・もおぉっ!アタマに来ましてよっ!」

転んだ拍子にお尻をしたたか打ったのだろう。涙目でお尻を擦りながらミウは懐から1つの球を取り出した。

「あっ・・アレっ!」
「?どないしてんユウナ」

七海が声を上げた悠奈の方を振り向く。
見おぼえがあった。確か、あの最初のサキと名乗る少女が自分を襲って来た時に使用した球だ。確かアレは・・・
そう考えているそばからミウが球を地面に力強く叩きつける。するとバウン。と大きく跳ねて空中で静止し、大人が1人2人通れるくらいのトンネルのようなゲートが姿を現し、次の瞬間には中から獰猛な鳴き声を上げながら怖い目をしたモンスターが姿を現した。

「ギャギャギャギャッ!」

「ぎぃぃーーっっ」

現れたのはぎょろぎょろと大きな眼をした悠奈達と同じ大きさくらいの浅黒い肌を持つ猿と人間の中間くらいの顔をした気味の悪い魔物と、黄色い体に1つ目を覗かせた、あのアミと言う少女が使役していたスライムに近いモンスターだった。
それが合計7匹程ゾロゾロと現れたのだ。悠奈と七海の表情が明らかにうげ〜・・と歪んだ。

「ウフフフ・・グローリーグラウンドに生息する、ゴブリンモドキとイエロースライム。さあ、あの生意気なお子さま達に罰を与えてあげなさいっ!」

「なっ・・なにアレ?うじゃうじゃバケモンが出てきよったで・・しかも・・」
「き・・キモイ・・」
「言ってる場合かぁ!?」
「ユウナもナナミも一緒に援護してくれよっ!クウたんの魔物にこの魔物プラスじゃキツイっての!」

瞬く間に日向達に襲いかかってきたモンスターを捌きながら、日向と窈狼が悠奈達に叫ぶ。それを聞いてそうだった。とやっと悠奈と七海も戦線に加わった。

「ハートフルロッド!」
「コルセスカー!」

悠奈が、マジカルロッドを戦闘用に変形させ、七海も自分の武器、長刀系のコルセスカを召喚する。

「ダンシング・ロッド!」
「スピンアタァーック!」

悠奈の投げた回転するロッド、そして七海の長刀を突きだしての回転斬りが、周囲のモンスターを薙ぎ払った。

「ぎゃぎゃーっっ」

「ぴぴぴぃっぎぃ〜っ」

快調にモンスターたちを撃退していく悠奈達。だが今回は少々数が多く、そしてまた、出現したモンスターもなかなか賢いモンスターだった。
目の前の子ども達の実力が自分達を上回っていると感じたゴブリンモドキ達は、突然戦法を変え、近接での手足の打撃から、間合いを取って、悠奈達の間合いの外から爪で攻撃したり、飛び込みざまに鋭い牙で噛みついてくる戦法に切り替えたのだ。
突然の敵の戦闘スタイルの変容に、日向や窈狼はなんとか対応できたが、悠奈達はそうはいかない。

なにしろ、日向や窈狼などにくらべると悠奈や七海は殴り合いの喧嘩や、武術の組み手などの実践感に圧倒的に疎い。
飛びかかってきたゴブリンモドキの不意の攻撃に悠奈は対応しきれず、とうとうガブッと腕に噛みつかれてしまった。

「きゃあぁっっ」
「ゆっ・・ユウナっ!ちっくしょおぉっ!どけえぇっ!荒斬(あらぎ)りっ!」

悠奈の窮地にいち早く気づいた日向が、駆け込みざまに悠奈に噛みついていたゴブリンを炎を纏わせた剣で内側に薙ぎ払った。
草薙京の父、草薙柴舟(くさなぎさいしゅう)が草薙流・百拾四式荒咬み(ひゃくじゅうよんしきあらがみ)を日向の用いる剣術様式に改良した、荒斬りである。
そのまま悠奈を助け起こし、噛まれた患部を見る。七海も、そして窈狼も組みついていたゴブリンモドキを殴り飛ばして悠奈のもとに駆け寄った。

「ユウナっ!」
「大丈夫かよ?オイっ!」

「うっ・・いっ・・たぁ・・ぐすっ・・って、ヤダっ!ナニ!?ナニよコレぇっ!?」

悠奈のか細い子どもの腕には、下品な格好の歯型がびっしりとついており、所々は血が滲んでいた。経験したことのない痛みに、悠奈は精神的にもダメージを受け、泣きべそを浮かべてめげそうになった。
なぜ自分がこんなツライ目に会わなきゃならないのだ?自分と全く関係ない異世界のために。
痛くて、辛くて、怖くて、悠奈の目にはみるみる涙が浮かび上がっていた。

(もぉ、イヤ・・帰りたいよぉ・・おうちに帰りたい・・)

しかし弱気に傾きかけた自分を励ましてくれたのは、ちょっと意外な人物だった。

「ヒナっ!ヤオっ!ちょっとの間2人でがんばって!ウチはちょっとユウナ見てあげるからっ!」
「うん!たのんだ!」
「よぉし、まかせなっ!」

七海は悠奈の腕に自分の手を翳すと、ゆっくり目を閉じた。

「な・・ナナミ?」
「このくらい大したことあれへん!だらしないなぁ、ママたちにお尻ひっぱたかれた時のほうがよっぽど痛いでえ」

そう言って呪文を唱え始める七海。

「水の精ウンディーネ、傷つきしかのものに優しい癒しの光を与えたまえ・・・ヒール!」

七海の手の平から心地よく、温かな光が零れる。それはまるで発光する水泡のように優しく悠奈の腕を包み込み、やがてゴブリンモドキに噛みつかれた悠奈の腕を傷跡1つなく癒した。

「す・・スゴイっ!ケガが・・なおっ・・ちゃった・・ナナミっ・・コレって・・・」
「えへへ〜vウェンディに教えてもろてんや。みんながケガしたりしたらこの魔法で治せるって、そりゃあんまりおっきなケガとか病気は無理らしいねんケドな。どや?ナナちゃんスゴイやろ!」
「ナナミちゃんスゴイ!ありがとうっ」
「エライわよナナミちゃん!さすが、私が見込んだ子ね!」

「スッゴイじゃんかナナミっ!いつの間にそんなコトできるようになったんだよ!?」
「びっくりだぜっ!そんな便利な魔法使えるなんてさあ!」

「きゃ〜〜vvもっとホメてホメて♪」

悠奈だけでなく、レイアやウェンディ、日向や窈狼からも絶賛の声を受け、ご満悦の七海。そんな彼女を見て、

「回復の魔法「ヒール」!あんな呪文が使えるなんてっ!あのコ、なんてやっかいなコですのっ!?」

と、ミウだけが悔しがった。



「スッゲ・・・」

事の次第を離れて見ていた久遠光はただ一言、ぼう然とした表情でつぶやいた。
まるで漫画かゲームの世界のような出来事が、今、夢ではなく現実に自分の目の前で起こっている。そればかりでなく、ずっとチビスケだと思っていた日向たちが、出現した気味悪い怪物どもと、一歩も退かずに戦っているのである。
驚いて感心すると同時に、彼はある種の焦燥に駆られていた。

(年下のヒナやナナがあんなに一生懸命怖そうなバケモンと戦ってるいうのにオレは一体なにをしとるんや!?このままここでただ見とることしかできんのかいっ!?)

「オレも・・・なんか、なんかやらんと・・」
「どないする気や?」

無意識につぶやいていた光の傍らに、妖精、紫髪のヴォルツが寄って来た。ニヤニヤと意味深な笑みを浮かべている。

「今のあんさんは魔法も使えへんし変身も出来ひんのやで?そんなヤツが行ったところで助けるどころか足手まといになってまうわ」
「うっ・・せ、せやけど・・・オレも・・せめてアイツらの盾になるくらいなら・・」

必死に答える光に、ヴォルツは「なあ」と聞き返した。

「知ってるか?ユウナちゃんたちが持ってる魔力っていうのは、信じる気持ちや大きな夢、それに誰かを助けたいというココロなんや。」
「え?ココロ?」
「そうや、夢見る心や誰かを想う気持ち・・・人の心の中に、魔力は宿るんやっ!もちろん、あんさん中にもな!」

ニッコリ笑って答えるヴォルツ。光はそのまま自分の胸に手を当て、目を閉じてしばらく考えてからヴォルツを見つめた。

「ヴォルツ・・」
「はいな」

「オレに・・・力貸してくれるか!?」


「どうだ!もうお前のモンスターはいなくなったぜっ!」

日向が自信満々にリビングモニュメントの上に立つミウを見上げて言い放った。
その通り、モンスター達は皆日向達に駆逐されて、宝石を残して消えてしまっている。形勢は逆転した。
しかし、ミウはまた「おーっほっほっほっほ!」と独特の高笑いを上げると、こう言い返した。

「おバカさんとは付き合いきれませんわ」

「なっ・・なんやとぉ!?強がってもムダやでっ!さっさとクウたんと街の人たちをもとに戻しぃや!」
「アタクシがアミさんやサキさんのように詰めの甘い性格だと思って?サモンボールはまだ1つ残ってましてよ!」

言いながら、さっきのと同じような球を悠奈達に見せた。

「げげっ!ま、まだあんのかよぉ〜?」

流石にモンスター達とのバトルで疲労したのか、日向も窈狼もげんなりした様子で、悠奈と七海も「もうイヤあ〜っ」と悲鳴を上げた。

「おーっほっほっほっほ!どうやらアタクシの作戦勝ちのようですわねぇ〜vさあ、モンスターのみなさんっ!今度こそあの小生意気なお子ちゃま達を懲らしめてあげなさい♪」

サモンボールと言われる球をもう一度地面に投げつけると、そこに同じような空間が開き、また同じ数だけ同じモンスターが出現してきた。

「うえ〜・・クウたんもまだ片付いてないのにぃ〜」
「ヒナタくん・・どうしよう・・」

疲労が濃い日向を悠奈もどうしようという気持ちで見つめる。また痛いコトされるかもしれない、そんな悠奈の不安が募ったその時だった。

「ちょっと待ったあぁーーーっ!!」

颯爽と悠奈達とミウの間に割り込んで来た1人の人物がいた。

「ひっ・・ヒカルちゃん!?」

日向が割り込んで来た人物を見て、驚いたような声を上げた。そこには傍らにヴォルツを連れた久遠光が雄々しく立っていたからだ。

「ど・・・どうして?」
「へっ・・なんやかんや言うてもお前らばっかこんなしんどい思いさせてるワケにもイカンやろ?一応、オレの方が年上やねんから、それに・・・」

光はくるっと悠奈達に振り返ると、ニコっと笑って答えた。

「やっぱり面白そうやし、さっきの話乗ってもええかなって思ったっちゅうこっちゃ!」

光は今度はミウとジュエルモンスターの方へ向き直って勇ましく言い放った。

「さあ、好き勝手すんのはここまでやで!」

「くっ・・またお邪魔な人が・・誰だか存じませんけどワタクシたちの計画をジャマする方は容赦いたしませ・・ん・・わ・・・って、あああぁぁーーーーーーっっっ!!!」

不意にミウが光を指差しながら盛大な悲鳴に近い声を上げた。悠奈もその様子に戸惑い、日向達と顔を見合わせながら一体なにがあった?と興味津々。ミウはそのままワナワナと震えだした。

「ひっ・・ひっ・・ヒカルお兄さま!!」

「あん?」

「え?」

「「「ええぇぇぇーーーっっっ???」」」

正に突然の事態にすっとんきょうな声を上げる一同。悠奈や日向達はおろか光自身何が何やらさっぱりわからないという表情。

「ひ・・ヒカルちゃん、その・・知り合い?」
「え?いや・・・初対面のハズやケド・・誰やお前?」

「あ・・アタクシのこと忘れてらっしゃるのお兄さまってばっ!ホラ、アタクシです!」

心外だ!とでも言うようにあくまでも光と顔見知りであると言わんばかりの反応なので、光はその少女の顔をマジマジと見つめ、ちょっと時間をおいてから「あ!」と声を上げた。

「お前・・・美兎(みう)か?西条(さいじょう)ホテルの、セイヤさんの妹の美兎か?」
「そうですわ!西条美兎です。お久しぶりです!あの・・レイお兄さまもお元気で・・・・あ・・」

思い出したというような顔の光をみて嬉しそうに話しだした美兎と名乗る少女、しかしすぐに顔を赤らめると、ふいっと光から顔を背けてしまった。

「久しぶりやなあ、そんなけったいな服着てたから全然気づけへんかったわ。元気しとったんかいもう半年近く会うてへんのやないか?おうおう、レイも元気やで・・・って!美兎!一体お前何してんねんこんなトコで!そんなカッコして!パパさんママさん知ってんのかいな?それにセイヤさんは!?」

「ぱっ・・パパやママや・・・お兄ちゃまのコトは・・・言わないでくださいっ!それに・・アタクシの正体は誰にも知られてはならないサダメ!どうか・・内緒にしておいてくださいっ!」

「いやいや。内緒って・・もう盛大にバレとるがな」

「ひ・・・ヒカルちゃん?その・・・知り合い?」

今までのやり取りに少々ぼう然としていた悠奈達だが、ここで日向がようやく切り出した。その問いに光は「ああ・・・」と頭を掻きながら話し始めた。

「ウチの親父の久遠ネットワークとか、レイんトコの東グループとかが昔から贔屓で取引きしてるホテルの娘や。西条ホテルって名前くらい聞いたことあるやろ?海外にもバンバン進出しとるホテル王やそのお嬢様。その関係でオレもレイも小さい頃からよく遊んでやったんや」

「へぇ〜・・そ〜なんだぁ・・・」
「そー言えばウチもばぁちゃんとちづるねーちゃんと一緒に泊まったコトあるわ」
「ウチのママも昔からお気に入りのホテルじゃんか」

成程と感心する悠奈たち、しかし当のミウ本人はふくれっ面で顔を赤らめ、そっぽを向いていた。まるでそのことが一番聞かれたくないっ!という雰囲気だった。

「なんでお前がこんなコト・・一体どういうつもりなんや!?」

「ほ・・ほっといてくださいっ!とにかく、アタクシにはあのレイアという妖精と、たくさんのマイナスエネルギーが必要なんです。お兄さまは下がってて下さい!」
「アホ!関係ないたくさんの人たちこないな目に合わせて・・そんな現場目の当たりにしてハイそうですかって引き下がれるか!」
「アタクシにも事情があるんですの!どうしてもどかないというなら・・・残念ですけど力づくでどいていただきますわ!」

ミウの言葉に反応して、再び現れたモンスター達がミウとリビングモニュメントと取り囲むように円陣を組んだ。

「ヒカルくんっ!」
「ヒカルちゃんっ!アブナイっさがって!」

悠奈と日向が、光を守ろうと再び武器を構えたが、その光が今度は片手で自分達を制止した。

「どうかな?・・ヴォルツ!」
「よっしゃ!ほないこかぁーっ!」

光がおもむろに自分のスマートフォンを取り出した。しかしその携帯電話には悠奈たちの知った装飾が施されていて・・

「あ・・アレ!」

悠奈が叫んだ時、光の体を眩い光が包んでいた。

「シャイニングスパーク・トランスフォーム!」

眩い闇の魔力の紫色とは違ったバイオレットブルーの光、その光が光を包み込み、バトルスーツを形勢する。

現れたのは肩口までの青のライダースジャケット。紫のタンクトップに濃紺のロングパンンツ、黒のベルトに赤のヘッドギアを巻いた力強い眼差しの光だった。

「拳の闘気は雷神の魂、セイバーチルドレン!ソウル・グラップラー!」


「あ・・あ・・ウソ・・」
「スッゲぇ〜〜っヒカルちゃんヘンシンしちゃった!」
「カッコイイ〜〜っ♪スピリッツ・・ぐらぷ?・ぐらぱ?なんやワカランけどとにかくヒカルちゃんスゴイっ!」
「ヒカルくん、オレ達の仲間になってくれたのか?」

「うおぉーーーっっ!?ガチでヘンシンしよったで!?うっはあぁ〜〜、スゴっ!なんやこの服?」
「ソレがあんさんのバトルスーツや、よぉ似合ってるで!」

変身したての光に悠奈たちから驚愕の声と、ヴォルツからの声援が飛ぶ。こちらも驚きつつも自分の容姿を見直し、ミウに向き直る。

「そっ・・そんなっ・・ヒカルお兄さままで!?」
「なんやようワカランけど、そう言うこっちゃ。さあ美兎、もう悪いコトやめや。ホラ、苦しんでる人元に戻せ」

「・・い・・いくらヒカルお兄さまの言うことでも・・・もう後には退けませんわっ!」

モンスターに号令をかける。すぐさまクジラが吼え、傍らのモンスターの群れが光に向かって襲いかかった。

「ひっ・・ヒカルちゃん!」
「あぶないっ!」

「心配すなや。なんや知らんケド体の奥が熱うなってメキメキ力が湧いてくんねん!これもその魔力っつう力のおかげかい・・・おっしゃヴォルツ!」
「ほな、いきまっせぇ〜っ!」

気にかける日向と悠奈の言葉を背に、光はモンスターに向かって一直線に突進した。

「うおりゃぁあっっ!」

まず最初にゴブリンモドキに放った突進からの渾身のパンチ。ガツンッ!という重い音が響き、そのままゴブリンは吹き飛ばされた。巻き添えを食って他にも1、2匹が倒れる。

「でぇいやあっ!」

続いて背後から襲ってきた別のゴブリンをたっぷりと回転のついた回し蹴りで薙ぎ倒し、飛び上がったもう1匹のゴブリンをアッパーカットで迎撃した。
しかる後、地面を跳ねて周るスライム達を満遍なく踏みつけ、光の左側をすり抜けようとしたスライムは打ち下ろしのチョッピングライトで頭から砕いた。

「そぉるああぁっ!」

最後に残ったゴブリンはダッシュのスピードとウェイトが乗り切った必殺の飛び蹴りを浴びせる。

ガッ!!

衝突音。続く吹っ飛んで派手に地面に転がる音。「クケェェ・・・」という声をもらしながら宝石を残して消滅した。
あっという間に、悠奈達が手こずっていたモンスターの群れを、なんと光はたった1人で苦も無く片付けてしまったのだ。その光景に「わあっ!」と歓声が悠奈達から上がった。

「スッゴォ〜〜イっ!さっすがヒカルちゃん!強すぎっ!」

「スッゴイ・・・あのヒト・・チョー強い」
「当ったり前だぜ悠奈、なんたってヒカルちゃんてばケンカの強さは超一流!JTスポーツクラブってジムの空手教室の門下生で全国ジュニア空手トーナメントのチャンピオンなんだからよ!中学生だってかなわないんだから」

嬉々とする子ども達とは対照的に、光のあまりの強さに、ミウは「うそぉ!?こんなに強いんですのぉ!?」とすっとんきょうな声を上げていた。その彼女をキッと睨みつけ、光が言い放つ。

「どや?ミウ。もう悪いコトせえへんか?みんなを元に戻すか?」

「うぅ〜〜・・・まだ、まだこのリビングモニュメントがいますわっ!」

あきらめず今度はクジラをけしかけようとするミウ、あくまでも反抗するつもりの彼女に光は溜息をついた。

「ったく、なんやねんもう・・・」
「ヒカル、ちょっと右手に意識を集中させてんか?」
「あん?右手に?」

突然のヴォルツからの申し出に、訳も分からず聞き返す光。

「ええから、取り敢えずやってみい」
「はあ?・・っと、こうか?・・・ん?」

「どや?感じるか?」
「な・・・なんや熱くなってきたで」
「そしたら、こう叫んでや。『スマッシュフィスト』」
「?なんのこっちゃ?」
「ええからええから!

一体なんなのか甚だ疑問ではあったが、ヴォルツがせかすもんだから光は言われるまま「スマッシュフィスト!」と叫んだ。すると光の拳が眩く輝き、その拳に武器が装着された。

「うおっ!?なんやコレ!?」
「それがあんさんのウェポン、武器のスマッシュフィストや!素手で殴るより効果あんでえ」
「こんなコトもできんのんかい?・・・おっしゃあ〜〜、燃えてきたでぇ〜・・かかってこいやクウたんっ!」

「ヒナタっ!オレ達も行くぞ!」

「おうっ!オレ達がモンスターに攻撃仕掛けるから、ユウナ!スキが出来たらアレたのむ!」
「わかった!」

暴れるクジラのクウたんに光、窈狼、日向が順に飛び込む。

「頭の中になんやいろいろ浮かんできよる・・・これも魔法のチカラか・・おもろいやんけ!」
光がモンスターの正面に飛び込む。その光めがけてモンスターは勢いよく水を放射した。

「おっとお、・・・へへっ当たらん当たらん!コレでも喰らっとけ!雷(いかずち)の精霊ディーン、悪しき者どもに天の裁きをくださん・・サンダーボルト!」

光の手から光球から稲妻が放たれそれがクジラの前ヒレにヒットし、クジラが仰け反る。「きゃあっ!」と再び振り落とされるミウ。ドシンと見事に尻もち。本日2度目のお尻の痛打に涙がツ〜・・と流れ尻を抑えてのたうち回る。
続いてクジラの胴体に窈狼の飛び蹴りが突きささる。さらに右手の爪で腹から真上に斬り上げる。
そこにすかさず、今度は光が飛び込んだ。

「今度は魔法やないでえ・・・オレのウルテク見せたるわあっ!」

小さい頃から可愛がってもらってる格闘家の兄貴分達から教わった呼吸法。闘気を全身に満たす独特の呼法で体内に気を巡らし拳に乗せて打ち出す。打ち出されたそれは、閃光と電撃を纏っていた。

「紅ちゃん直伝!雷靭拳(らいじんけん)!」

輝く拳が電撃の衝撃とともにクジラを揺らす。そこに日向の必殺剣が突きささる。

「百式・鬼焼き(ひゃくしき・おにやき)!!」

燃え上がる剣撃に打たれたクジラは「ぐもも・・」と鈍い声を発し、ヒレをだらりと垂らしながら無防備になった。

「今だユウナぁーっ!」
「ユウナちゃん!」

日向とレイアの声が上がる。それに答える悠奈はロッドを前に突き出し、止めの魔法を放った。

「悪い心は、聖なる光で飛んでいけっ!シャインハートフラーシュッ!」

ハートの形の桃色の光がクジラの体全体を優しく包み込む。

「しっ・・しまったですわっ!」

尻の痛みに呻いている間に起こった惨劇。ミウが苦渋に満ちた顔色を浮かべる前で、クジラの像、クウたんは聖なる光に浄化され、元の噴水広場におさまっていた。

「やった!大成功っ!v」

「キィ〜〜〜〜っっチョー悔しいですわあぁぁ〜〜っっ!!」

地団太を踏んで悔しがるミウ。そのミウに光が歩み寄る。

「美兎。もうこんなコトやめや。何があったか知らんけどこんなことするもんやない」

「お兄さまにはカンケーありませんわ!こーなったら・・アタクシの氷の魔法でアナタがた全員・・・」

「やってみろよ」

ズイ、と前に進み出た日向。うっ、と怯むミウの眼前には、みな一様にミウを見据えていた。
モンスターを一網打尽にされ、ジュエルモンスターすら失った彼女。5対1の状況下でもまだ戦うか?彼女の出した結論は・・・

「おぼえてらっしゃあぁ〜〜いっエミリーさまに言いつけてやりますもんねぇぇ〜〜っっ」

そこから脱兎のごとく逃げ出し、走り去ってしまった。

「ミウ・・・なんでどないしたんや一体。」

その背に光だけがボソリと呟いた。



「ええっ!?ウソ!?ヒカルちゃん、オレ達の仲間になってくれるの?」

光のマンション、その彼の部屋で、日向の問いに光は笑顔で「ああ」とニッコリ笑って答えた。
あの後、周囲で意識を取り戻した人達を見てホッと胸を撫で下ろした一行は、光のマンションへと戻った。そこで光が話があると自室へ呼んでくれ、用件を聞くとなんと自分もメンバーに入ってくれるとのことだった。

「まあ、なんやかんやで結局変身してもうたし・・あんなモンスターとか見てヒナたちだけに戦わす訳にもイカンし、あと、ミウのことも気になるしな。まあ、成り行き上仕方ないってトコかな?」

「やったぁ〜っヒカルちゃんありがとう!ダイスキ!」
「ヒカルくん強いし、優しいし!ヒカルくんならオレ達大歓迎だよ」

子ども達からの歓声にヒカルは赤くなって「なにアホなこと言うてんねん・・・」と言いながらもまんざらではない様子で鼻の頭をコリコリとかいた。

「ってなワケで、よろしくな。ユウナ!」

「え?・・・あ、うん!」

悠奈もニッコリ笑って返した。


「ねえねえヒカルちゃん!ところでさあ、あのヒカルちゃんの会社がやってるパチンコ屋さんまた連れてってよ!」
「あっ!ウチもウチも!この間楽しかったなぁvスロットガンガン回ってガンガン当たって♪お菓子とたくさん交換したもんなあ」

え?とう表情の悠奈と窈狼。今確かにパチンコと聞こえた。

「な、ナナミ、パチンコなんかしたことあんの?」
「うん、あるよ。こないだヒカルちゃんが初めて連れてってくれてん!ウチと、ヒナとぉ、ヒカルちゃんとアキちゃんの4人で!」

「わあぁあぁっっわあっわあっ!!ひっ・・ヒナ!ナナ!!ちょっ・・ちょっちょっ・・しいっ、しいぃっ」

途端に真っ青になって2人の口をふさぐ光。

「ふがもが・・・ふぃ、ふぃかるちゃん?」
「はにふんねんなぁ〜・・」

「ま・・・また今度連れてったるさかい・・今はそれ静かにしとってや!」

「ぷはっ・・な、なんでぇ?」
「おもろかったのにぃ〜っねえ今度の土曜日行こうよぉ〜〜っ」

「わあぁっ!だっだから大声で言うなって!向こうにはまだセンセーがっ!」
「あ〜ら、そんなに聞かれちゃマズイ内容なの?光ちゃん」

後ろから突然聞こえた声。
真っ青に青ざめながら、ゆっくりと振り返った光は、その声の主を見て、「ひいぃっ!」と悲鳴を上げて床にへたり込んだ。
そこには満面に笑顔を浮かべた。優しい優しい顔のヴァネッサがいた。
だが様子がおかしい、そうそのたたずまいに、悠奈も、日向も、七海も、窈狼も皆同じく怖気をふるった。
それは自分達も経験がある。慣れ親しんだ恐怖だったからだ。

悪戯がバレた時のママの怖い迫力。それがこのヴァネッサからもなぜか感じられた。

「ねえ、ヒナちゃん、ナナちゃん。みんな悪いケド先生ちょぉ〜っと光ちゃんとお話ししなきゃならない用事ができちゃったみたいなの。今日の所はこれで帰ってもらってもい〜い?」

「え?・・そりゃ・・うん、なぁ、ナナミ?」
「へ!?・・ああ!うんうんうんっ!もちろんっ!ほな、おじゃましました!ホレ!ユウナもヤオも帰んで!」
「え!?・・ええっちょっとナナミ!」
「ひっひっぱるなよぉっ」

ナナミが光の部屋から強引に悠奈と窈狼の手を引き、玄関から外に出る。

「ユウナちゃんもヤオくんもごめんねぇ〜vまた遊びにきてね♪今度はとびきりおいしいオヤツ作っておくからv」

その言葉を背に受けて、悠奈たちは部屋を後にした。

「ひえっ・・おいてかんでくれぇ〜・・ヒナ、ナナ・・ちょっとまて・・」
「さあて、光ちゃんvどーゆーコトなのかなぁ?パチンコってなんのコト?」

怯えて震える光の眼前には今だ怖いくらい優しい笑顔のヴァネッサ先生のどアップ。歯が恐怖でがちがちと音を立てる。
うふっと笑ってヴァネッサ先生の言葉。

「ちゃぁんと聞かせてくれないと・・・先生困っちゃうなぁ〜v」



「ヒナぁ〜・・あの先生のカオさぁ〜・・」
「うん、絶対ヤバいと思う・・」
「ウチラのせいかなぁ〜?」
「多分・・・ゴメンネ。ヒカルちゃん」

「あ、あのさぁ、一体どうしたの?」

意気消沈しながら目の前を歩く日向と七海を不審に思い悠奈が声をかける。すると2人は気まずそうに話しだした。

「多分・・・ヒカルちゃんの家の会社がやってるパチンコ屋さんでも、やっぱりオレ達が行っちゃマズかったんだよな」
「うん・・・ヒカルちゃん、ウチら楽しませてくれようと思って連れてってくれたのに・・・」

「ど、どういうこと?」

「パチンコ屋ってさあ、やっぱフツーは行かねえじゃん子どもってさ、ってか行ったらダメじゃん校則とかでもさあ、だからヒカルくんがやったこともダメだったんじゃん?」

窈狼の意見で、悠奈はやっとなるほどと思い、そして青くなった。

「ってコトは・・それって・・さっきのでそれがバレちゃったってコト!?」

「う・・うん・・多分・・」

「・・・あのヴァネッサ先生って優しそうだったけど・・・」

「・・・ヒカルちゃんの話じゃさ・・」

日向がゴクリと喉を鳴らして言った。

「怒ったらめっちゃくちゃコワイらしいんだ・・・」



「ぎゃあぁ〜〜〜っっセンセー!カンニンやあぁ〜〜〜っっ」

「カンニンしません!まったく一緒に住まなくなった途端にアンタって子は・・!やっぱり叱られるのが遠のくとこうなるのね。ホラ!光ちゃん!お尻だしなさい!今日はたっぷりお尻を叩いてお仕置きです!」

「ひいいぃ〜〜〜っイヤやあぁ〜〜っっ」

ヴァネッサの笑顔を捨てた怒りの形相。
必死に逃げようとする光をむんずと捕まえベッドの上に連行。そのまま膝に組み伏して履いていたズボンに手をかけて下着ごとずり下げる。
健康的で引き締まりながらも、まだまだ小学生特有の柔らかい光の尻が晒しものにされる。

「こっ・・このケツだけ出すのんやめてやあぁ〜〜っっ大っキライやこの感覚ぅ〜っ!」

「やかましいっ!だったら悪いコトするのやめなさいっ!さあ行くわよ?久々だけど手加減なんてしないからね〜」

パアァーーーンッッ!

破裂音。

上がる光の絶叫。

「いぃっっでぇえぇぇ〜〜〜〜っっっっ!!」

ばしーーんっ! バチィーーンッ!

続けざまの破裂音に悲鳴の二重奏が部屋中に木霊する。ヴァネッサの必殺の平手が光の幼いお尻に当たる度にプリンのように震え、波打って衝撃を伝える。
叩かれた個所は白くなり一泊置いて血流が密集して赤くなる。2発、3発、4発と平手が光のお尻で弾ける度にお尻は赤々と色づき、腫れ上がっていく。

お尻ぺんぺん。

まだ光が、幼馴染の麗と、家庭教師を任されたヴァネッサと一緒に暮らしていた頃、ほんの1年ほど前まではしょっちゅうもらっていたお仕置き。
だがヴァネッサのそれはぺんぺんなんてカワイイものじゃない。まるで熱した板でお尻全体を焼き焦がされているかのように響く特上の激痛。
光も、麗も、ガールフレンドの奈美や麗奈もみんなヴァネッサの膝の上で悪いコトをしたら同じようにお尻をぶたれ、絶叫、悲鳴を声の限りに叫び、次いで哀願し、涙をとめどもなく流して泣いて、泣いて、泣いた。

あの時とまるで変わらない痛み。いや、もしかしたら・・・
(前より痛いかも!?)
「せっ・・センセっ・・ちょっ・・タンマっ!いたっ!・・ちょっとっ・・いだあぁっ!いったああぁっ!タンマやってええぇ〜〜っ」

ぱしぃ〜んっ! ぺしぃ〜んっ!! ばちぃぃんっ! べちぃぃんっ! バシーン! バシッ!バシッ!ビシッ!ビシッ! びたーーんっ!!

「何がタンマなの?何か言いたいことある?」

「ひぐっ・・言いたいこ・・とっ・・てぇ・・わかるやろォがあぁっ!痛いいぃ〜〜っ・・痛すぎやってぇ〜〜っ!ケツ壊れるぅ〜〜っ!」

「壊れません」

ビッシィ〜〜ンっ!!

「ひゃあぁぁんっっ」

「ヒナちゃんとナナちゃんパチンコ屋さんに連れてくなんて一体どういうコトなの!?アンタあの子たちよりお兄ちゃんでしょうに!年下の子にそんなコト教えて!」